マカロンのこだわり。

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先に言っておきます! このコラム文字ばっかりです。笑
 
突然ですがマカロンって好きな人と嫌いな人がキッパリ分かれている食べ物だと思います。
そんなにクセのある食べ物でもないのに好き嫌いがそこまでキッパリ分かれることって何だか珍しいですよね。
何となくですがその理由が【味】ではなくて【イメージ】にあるからではないかと思います。
 
小さいとか、値段が高いとか、甘いとか、マイナスのイメージが多くマカロンって何か割高のイメージが強い印象です。
作り方にはいくつかハードルがありますが要点さえしっかり押さえれば問題なく作れます。コツをつかむまで若干苦労するかもですが工程はシンプルなのでご家庭でもチャレンジしやすい菓子ですね。
それなのに価格が他の焼き菓子に比べるとやや高め。なんとも不思議な存在です。
 
話は変わりますがほとんどの人が米を炊けるのですが【米を美味しく炊く】となると急に難易度が高くなる気がしませんか?
お米を炊く作業工程がシンプルなために気を付けなければならない点が深くなってくるからです。
米の産地や銘柄、相性の良い水や炊き方、道具の工夫などこだわりを持てばいくらでも深くできるため段々とその人の個性が反映されその人の味となります。
 
マカロンってこのお米の例えにちょっと似てる気がします。マカロン生地に使う原料はたったの3つ。卵白と砂糖とアーモンドパウダーのみです。
ここでちょっとマカロン作りについて深く入ってみましょう。
 
・メレンゲを立てるときのこだわり。
メレンゲの立て具合は食感に影響します。どんなメレンゲを立てるのか?がポイントです。
より粘り気のあるしっかりとしたメレンゲを作る時は卵白のみを冷蔵庫で1週間放置してサラサラにしたり、食感を軽くするためにあえて目の粗いメレンゲを立てるならどうするのか?
卵白とグラニュー糖の性質を噛み砕いて理解し、経験から得た知識や技術を活かして最終的に好みの食感になるようメレンゲを調節していきます。
卵白の温度は何度くらいが最適なのか。どれくらいの速度でどれくらい泡立てたらいいのか。1つ1つのコツは小さいことなのですが組み合わせるとその差は歴然です。
 
・アーモンドへのこだわり
メレンゲが食感を決めるならアーモンドは味を決めます。どんなアーモンドを使うのかで旨味は変わります。
アーモンドを選ぶコツとしては産地、品種、鮮度、作業性を考えてみるといいかもしれません。 
ちなみに当店では「アーモンドの女王」と名高いスペイン産マルコナ種のアーモンドとイタリアのシシリー島産のアーモンドをブレンドして使用しています。風味や味わいは申し分なく2つをブレンドすることにより高い作業性を実現しました。
アーモンドは全体の味を決める役割のため保管方法や鮮度にもしっかり気を配りアーモンドを極力酸化させない意識も大切です。
美味しくないアーモンドを使うとマカロンにアーモンドが入っているのすら分からずに食べられていることも案外よくあります。
良質でしっかり味の余韻が長く生地の甘さに負けない力強い味のアーモンドを選ぶことが私たちSlow lifeのマカロンを支えます。
 
・焼きへのこだわり
マカロンは他の焼き菓子と違い焼き色が極端に薄いことがほとんどです。見た目のコミカルさもマカロンらしさ故にオーブンのクセを読みギリギリの火加減を目指すのです。
アーモンドが入っているのでしっかり火を入れたほうが風味がしっかり強く出るのですがそれだと糖分の多いマカロン生地はすぐに焦げてしまいます。
火加減が弱すぎてもアーモンドの風味を引き出しきれません。
表面のみわずかに食感を残しカシャっと割れ、中身はクリームと馴染んでしっとりと食べられる。そのコントラストも味なのです。
その理想を目指しオーブンの火加減や焼き時間を何度も繰り返し探していきます。
 
 
生地だけでも気を付ける点がこれだけ多くあり組み合わせるクリームや味のバランスまで考え毎日作業台に向かう。 マカロンに限った事ではないのですが理想の仕事とは試行錯誤を何度も繰り返した毎日の積み重ねです。
 
原料の性質を心を砕いて理解し最終的にどんな菓子に仕上げたいか幾度となくイメージし、試し、考察して再び試す。これの繰り返しです。その途中で納得できるまでやるかどうか、という点のみ。
細かいこだわりこそが菓子に個性を反映させます。それがシンプルな菓子であればあるほど同じ配合で作っても作り手によってどこか微妙に違う菓子になる。パティシエとはそんな世界だと思います。
 
 
私の作るマカロンや菓子は美味しい。そういう自負があります。ここで「お客様の声」的なコメント集を並べるのは個人的に好きではないのでしません。ネット社会の現在でほかのお客さんの意見を参考にする傾向は当然の流れだとは思うのですが敢えてお客さんに自分自身で判断してもらいたい。全身全霊で菓子作りに集中して、その上でいらして頂いたお客様に精一杯向き合う。他人のレビューや意見に判断を左右されて欲しくないのです。
前置きが長くなりましたが私たちSlowlifeが作る菓子の個性をぜひ一度お楽しみください。